体育館12:25~私のみる景色~


 でも、なんでハンカチなんか濡らしてくるの頼んだんだろ?


 暑いからかな?


「宮下さん、ひじ見せて」


「え、あ、はい……」


 考え事をしていたら佐伯先輩に声をかけられて、ひじを見せようとすると、ギュッと腕を掴まれた。


「えっ、と」


 な、なんで掴まれちゃったんだろう……。


 佐伯先輩が触れてる部分から熱が伝わって、じんわりと温かくなっていく。


「ん? あー、素直に見せてくんないと思って。とりあえず傷みるから」


 心の中でつぶやいた疑問に、佐伯先輩は苦笑いで答えた。


 私がこくりとうなずくと、安心するような笑みを微かに浮かべて、佐伯先輩は傷をみはじめた。


「ちょっと擦れてるな。バンソウコウ貼るわ」


「お、お願いしますっ」


 佐伯先輩が手当しやすいように、一応腕を持ち上げてひじを突き出してみる。