……本当に佐伯先輩は、無意識にこういうことを言うよね。
“女の子なんだから”の言葉に浮かれちゃう。
こんなふうに言われて、心配されて、嬉しくないはずがない。
それに、私のことを女の子として見てくれてるってことだよね?
「慶、これ濡らしてきて」
熱の集まったほっぺをおさえてると、佐伯先輩がポケットからハンカチを取り出して慶ちゃん先輩の方に差し出した。
机に突っ伏していた慶ちゃん先輩は少し顔を上げて、薄いブルーのハンカチを奪うようにして取った。
「……お前が行きゃいいだろが」
「慶が行ってる間に、ひじとかほかのとこ見とくから」
「……俺がいない時にヘンなことすんなよ」
「しないって」
何がなんだかわからないうちに、慶ちゃん先輩は佐伯先輩のハンカチを持って立ち上がり、どこかに行ってしまった。
すっごい不機嫌そうな顔してたけど……。



