きゅ、救急箱?
なぜに救急箱?
私が怪我してるから持ってきてくれたんだろうけど。
保健室くらい自分で行けるから、わざわざ持ってきてくれなくてもよかったのに!
迷惑かけちゃって、なんだかすごく申し訳ないんだけれどもっ。
「なんかほんとすみませんっ。自分で行けたのに、取りに行かせちゃったみたいで……」
ワタワタと慌てて立ち上がる私に「はいはい、いいから亜希は座ってろ」なんて肩を押さえつけられながら慶ちゃん先輩に言われて、半強制的に椅子に戻された。
そのまま慶ちゃん先輩は私の近くにあった椅子をひいて、ふんぞり返るようにして座った。
すっごく偉そうなのにサマになってるのが、なんだかにくらしい。
「宮下さん、ひざ見せて?」
ちろっと横目で慶ちゃん先輩を睨んでる間に、いつの間にか佐伯先輩が近くに来ていたみたい。
慌てて声の方に視線を向けると、私の足元にひざまずいている佐伯先輩がいた。
片膝を立てて上目遣いで私を見る姿は、本物の王子様みたい。
爽やかなシトラスの香りがふわっと鼻をくすぐって、なんだかクラっとする。



