ぼーっと見とれていると、グイっと上に引っ張られた。
「座ってないで行くぞ。人来るかも知んねえし」
私を立たせてくれたのは、慶ちゃん先輩だった。
ああー、佐伯先輩、私に手を差し伸べてくれてたのになあ。
早く手を取らなかった私が悪いんだけど。
というか、私が佐伯先輩のこと好きってわかってるのに、ひどいよね。
……まあ、慶ちゃん先輩もだから、ライバルの邪魔するのは仕方ないことなのかな。
と思うけど、ちょっとイライラ。
キッと慶ちゃん先輩の方を睨んでみたら、なぜか佐伯先輩と慶ちゃん先輩も睨み合ってるし。
……なんでだろう。
まあいいや。
教科書だけさっさと拾っちゃわないとね。
しゃがみ込むと、ひざのスリキズがズキズキとうずいて痛い。
せっせと散らばった教科書を集めてカバンにしまって2人を見るとまだにらみ合ってる。
ほんとどうしたんだろ?



