体育館12:25~私のみる景色~


 ぼーっと見とれていると、グイっと上に引っ張られた。


「座ってないで行くぞ。人来るかも知んねえし」


 私を立たせてくれたのは、慶ちゃん先輩だった。


 ああー、佐伯先輩、私に手を差し伸べてくれてたのになあ。


 早く手を取らなかった私が悪いんだけど。


 というか、私が佐伯先輩のこと好きってわかってるのに、ひどいよね。


 ……まあ、慶ちゃん先輩もだから、ライバルの邪魔するのは仕方ないことなのかな。


 と思うけど、ちょっとイライラ。


 キッと慶ちゃん先輩の方を睨んでみたら、なぜか佐伯先輩と慶ちゃん先輩も睨み合ってるし。


 ……なんでだろう。


 まあいいや。


 教科書だけさっさと拾っちゃわないとね。


 しゃがみ込むと、ひざのスリキズがズキズキとうずいて痛い。


 せっせと散らばった教科書を集めてカバンにしまって2人を見るとまだにらみ合ってる。


 ほんとどうしたんだろ?