まあ、過ぎたことは今更どうにもならないんだけど。


「もうこうなったらしょうがないよね! ちょっとこわいけど、体育館に人がいなくなった頃に取りに行くよ。……ひとりで」


 じろりと涼を恨めしそうに見てそう言ってみると、案の定、ギロリと10倍くらいの威力でにらみ返されたのは言うまでもない。


「とりあえず、その話はおいといて~……」


 涼のその言葉で、いつも通りくだらない話が始まった。


 昨日見たドラマの話とか、あの新発売のお菓子がおいしいとか。


 こういう話をするのはもちろん楽しいんだけどね、こんなあっさり私の話を流されるとちょっと複雑な気分。


 涼にとっては私のお弁当忘れ事件はどうでもいいことなのかもしれないけど、私にとっては一大事だからね!