ニマニマしながら、佐伯先輩を見つめる。
佐伯先輩は外を眺めていて、私が見ていることに気がつかないみたい。
改めて思ったけど、やっぱり佐伯先輩は無表情なんかじゃないね?
ドアの窓に反射して映る顔は、どこか不機嫌そうにも見えるし、すねているようにも見える。
「……佐伯先輩って、けっこう表情が出ますよね」
ポロっと心の声が音になって出た。
それに反応して、佐伯先輩は私の方をびっくりした顔で見てる。
「は!? え? そんな顔に出てる?」
うんうん。
今もすごく驚いた顔してますよ?
そんなことは言えないから、首を数回縦にふった。
「……ほんとに?」
そんなに私の言葉が信じられないのか、何回も私に聞いてくる。
それがなんだか面白くて、笑っちゃった。



