体育館12:25~私のみる景色~


 ニマニマしながら、佐伯先輩を見つめる。


 佐伯先輩は外を眺めていて、私が見ていることに気がつかないみたい。


 改めて思ったけど、やっぱり佐伯先輩は無表情なんかじゃないね?


 ドアの窓に反射して映る顔は、どこか不機嫌そうにも見えるし、すねているようにも見える。


「……佐伯先輩って、けっこう表情が出ますよね」


 ポロっと心の声が音になって出た。


 それに反応して、佐伯先輩は私の方をびっくりした顔で見てる。


「は!? え? そんな顔に出てる?」


 うんうん。


 今もすごく驚いた顔してますよ?


 そんなことは言えないから、首を数回縦にふった。


「……ほんとに?」


 そんなに私の言葉が信じられないのか、何回も私に聞いてくる。


 それがなんだか面白くて、笑っちゃった。