体育館12:25~私のみる景色~


 私がそう言うと、佐伯先輩はふっと笑った。


 照れくさそうに、はにかんだ笑みで。


「よかった」


 佐伯先輩はそれだけ言った。


 そのあとは2人で夕焼けを見て。


 次の電車が来る頃には、もう夕日はほとんど沈んでしまっていた。


「あ、宮下さん。メールありがとうね」


 思い出したように、佐伯先輩はそう言った。


 電車に乗り込んで、ドアの脇に佐伯先輩と一緒に立っている。


 近すぎず、遠すぎない距離。


 電車は空いていて座る席はたくさんあったけど、なんとなく私たちは座席に座らなかった。


「え!? お、お礼言われることは何も書いてないんでっ!」


 『ありがとう』なんて、言われると思ってなかった。


 それに、けっこう恥ずかしいこと書いた、よね?


 顔に熱が集まってくるのが自分でもわかる。