「……とりあえずさ、俺は怒ってもないし、嫌ってもないから。もし、宮下さんもそうだったら、仲直り、しない?」
「え?」
びっくりして、勢いよく佐伯先輩の方を見た。
佐伯先輩は照れたような、困ったような何とも言えない顔で私を見ながら笑ってた。
夕日のせいかもしれないんだけど、なんだか佐伯先輩の顔が少しだけ赤いような気がする。
それにしても、無表情とか冷たいなんて言われてるのがウソみたいなんだけど。
……今日はサービスデーなの?
「なあ、宮下さんはやっぱりまだ怒ってる?」
何も言わない私に不安げに尋ねる先輩は、捨てられた子犬みたいな目をして私を見てくる。
さ、佐伯先輩、すごく可愛いんだけどっ!!
なんていうかね、佐伯先輩ってもしかして天然のタラシなんじゃないかって不安を覚えるよ。
「私も、佐伯先輩と仲直りしたかったです、ずっと……」
勇気を出して、やっと言えた。
きっかけをくれたのは、佐伯先輩だけど。
それでも、言えた。



