体育館12:25~私のみる景色~


 それにしても、話題が続かないよね……。


 せっかく2人きりの時間なのに。


 なんか話さないともったいないよね?


「あの」


「あのさ」


 佐伯先輩の方に向き直って声をかけようとしたら、佐伯先輩とかぶっちゃった。


 佐伯先輩も私の方を見ていて、しばらく無言で見つめ合う。


 なんだこれ、めちゃくちゃ恥ずかしいんだけどっ!


 なんだかお互い気まずいし、タイミングが合いすぎというかなんというか。


 佐伯先輩はずっと目をそらさないけど、私はもう限界だよっ。


 バッと下を向いて、汗で湿った手をギュッと握り直した。


 下を向いて緊張で震えていると、隣りからゴホンなんていうわざとらしい咳ばらいが聞こえた。