体育館12:25~私のみる景色~


 とりあえず、慶ちゃん先輩があの時、佐伯先輩を怒らせるようなことを言ったってことなのかな?


 何を言ったかなんて覚えてないけど。


 っていうことは、私はとばっちりを受けたってことになるわけ?


 ……慶ちゃん先輩、恨む!!


「あー、宮下さん、怒ってる? こんな長いあいだ、誤解させたままでごめんな? バスケだって、最近ずっと見に来てなかったみたいだし」


 口をへの字にして手を握りしめている私を見て、佐伯先輩は私が怒ってると思ったみたい。


 佐伯先輩は目線を下にしていて、声はなんだか元気がないように聞こえる。


 そりゃ、たしかに怒ってるけど、それは慶ちゃん先輩に向けての怒りなワケで。


「怒ってなんかないですよっ!? というか、私、佐伯先輩に嫌われちゃったんだと思っ……」


 ん?


 言ってる途中で思ったんだけど、私、佐伯先輩に一言も“嫌いになってないよ”なんて言われてなくない?


 私に対して怒ってたわけじゃないって言われたけど、もしかしたら嫌われてるって可能性はまだ消えてないよね……?


 サーっと顔が青ざめていく。