傷ついたような顔で、佐伯先輩が私を見つめる。
まるで、許しをこうような瞳で。
「な、なんで佐伯先輩が謝るんです? 私の方が謝るべきで……」
いきなりの謝罪に、戸惑ってしまう。
だって、ほんとうに意味がわからないもん。
「宮下さん、何も悪くないから。俺が勝手に冷たい態度とって、宮下さん傷つけたから。ほんと、ごめんな」
え、だから、冷たい態度だったのは、私が何かしたからじゃないの……?
「わ、私が何かしちゃったから、怒ってたんじゃ……?」
そう言うと佐伯先輩は目を見開いた。
「ほんっとに違うから! なんていうかあれは、慶が……」
佐伯先輩が話した時、ちょうど次の電車の到着を告げるアナウンスが響いた。
その音にハッと息を飲んで、佐伯先輩は口をつぐんでしまった。
続きを聞きたいけど、言いたくなさそうにしてるしなあ。



