体育館12:25~私のみる景色~


 傷ついたような顔で、佐伯先輩が私を見つめる。


 まるで、許しをこうような瞳で。


「な、なんで佐伯先輩が謝るんです? 私の方が謝るべきで……」


 いきなりの謝罪に、戸惑ってしまう。


 だって、ほんとうに意味がわからないもん。


「宮下さん、何も悪くないから。俺が勝手に冷たい態度とって、宮下さん傷つけたから。ほんと、ごめんな」


 え、だから、冷たい態度だったのは、私が何かしたからじゃないの……?


「わ、私が何かしちゃったから、怒ってたんじゃ……?」


 そう言うと佐伯先輩は目を見開いた。


「ほんっとに違うから! なんていうかあれは、慶が……」


 佐伯先輩が話した時、ちょうど次の電車の到着を告げるアナウンスが響いた。


 その音にハッと息を飲んで、佐伯先輩は口をつぐんでしまった。


 続きを聞きたいけど、言いたくなさそうにしてるしなあ。