「あれは気にしないでください! ほんとに! それじゃ、私は帰るんで!」
あんな恥ずかしい内容のメールのことを、本人から聞かされたらたまったもんじゃないよっ。
気持ち悪いとか、そんなふうに言われたらやだしっ。
肩にかけたカバンの持ち手を握りしめて走り出そうとした。
「ちょっ! だから、待てってば!」
カバンの柄をつかまれて、後ろにぐんっとひかれた。
「うっわ……!」
こけちゃうこけちゃう!
佐伯先輩の前で尻もちとか、そんなどんくさいことできないよっ。
と思ったけど、あまりにも急だったから踏ん張ることなんてできなくて。
ヤバイって思ったとき、ふわりと優しく抱きとめられた。
「うわ、ごめん。怪我してないか?」
衝撃に備えて強く目をつぶっちゃったから、私の身体にまわるこの腕が誰のものかはわからないけど。
なんでだろう、私の頭の上から佐伯先輩の声がしたんだけど。



