体育館12:25~私のみる景色~


「あれは気にしないでください! ほんとに! それじゃ、私は帰るんで!」


 あんな恥ずかしい内容のメールのことを、本人から聞かされたらたまったもんじゃないよっ。


 気持ち悪いとか、そんなふうに言われたらやだしっ。


 肩にかけたカバンの持ち手を握りしめて走り出そうとした。


「ちょっ! だから、待てってば!」


 カバンの柄をつかまれて、後ろにぐんっとひかれた。


「うっわ……!」


 こけちゃうこけちゃう!


 佐伯先輩の前で尻もちとか、そんなどんくさいことできないよっ。


 と思ったけど、あまりにも急だったから踏ん張ることなんてできなくて。


 ヤバイって思ったとき、ふわりと優しく抱きとめられた。


「うわ、ごめん。怪我してないか?」


 衝撃に備えて強く目をつぶっちゃったから、私の身体にまわるこの腕が誰のものかはわからないけど。


 なんでだろう、私の頭の上から佐伯先輩の声がしたんだけど。