体育館12:25~私のみる景色~


 オレンジの夕焼けをバックに、門に背をあずけて立っている。


 その人はどこか気だるげで、茶色の髪をサラサラとなびかせていて。


 涼しげな目で、いつもと変わらないポーカーフェイス。


 この前、私のことを冷たい眼差しで見すえた人。


 ……私の、好きな人。


 佐伯先輩が、ひとりで立っていた。


 呆然と立ち尽くしていると、佐伯先輩が私の方を向いた。


 なんだか、目があってる気がするんだけど?


 ……夢、夢だよねこれは。


 たとえもし現実だったとしても、平然と前を向いて歩くなんてできない。


 それに、あんなメールを送ったあとで、どんな顔をすればいいのかなんてわからない。


 呼吸すらままならなくなって、動くことももちろんできなかった。


 だけど、目だけはなぜかそらせなかった。