体育館12:25~私のみる景色~


「い、言う! メールしてみるっ!」


 もしかしたら、私のアドレスなんかもう消しちゃってるかもしれない。


 受信拒否されてるかもしれない。


 ……それでも。


 届かなくてもいいから、今の私の気持ちをちゃんと言葉にしたかった。


 すぐにケータイを取り出して画面とにらめっこし始めた私を、涼たちは静かに見守ってくれている。


 ああでもない、こうでもないって何回も文章を消しては打って。


 数十分は何度もそれを繰り返していた。


「で、できたかも……」


 つぶやいてケータイの画面を開いて机に置くと、涼たちは一斉に画面をのぞきこんだ。


 そこに映し出されているのは、たった3行。


 『試合、本当にお疲れ様でした』
 『本当は、頑張ってくださいって言いたかったです』
 『この前のこと、ごめんなさい』


 もっとほかに言いたいこともたくさんあったけど。


 文字を打とうとしたのに、全然言葉が出てこなかったんだ。


 だから、今一番言いたいことだけを、一文字一文字心を込めて打ち込んだ。