私がいるのは体育館の入口の真上よりほんの少し離れたところ。


 先輩たちが見上げたりなければバレることはない場所。


 よし、見つかる前にギャラリー出ちゃえばいいよね。


 鉢合わせしないように、階段のとこで先輩たちがいなくなるのを待って教室に戻れば……。


 計画を練って後ろ向きに一歩下がった時、思わず持っていたお弁当を落としてしまった。


 あぁ~!


 握り締めてたのになんでこういう時に限って落ちるかな……。


 私は冷や汗をだらだら流しながら、その場で固まっているしかなかった。


 誰もいないはずの体育館、それもギャラリーからゴトっという鈍い音がしたから不思議に思ったのか、佐伯先輩と中原先輩は上、つまり、私がいるギャラリーの方を見上げて……


「「あ」」


 と、声をハモらせた。