佐伯先輩たちは片付けが終わったみたいで、ふざけ合いながら体育館を出て行った。


 その後ろ姿を見届けたあとに体育館を出るのは、もう日課になりつつある。


 先輩たちも行っちゃったし、そろそろ私も教室に戻ろうかな、なんて思ってお弁当を持ち死角から出ると、体育館の入口の方からバタバタと走る複数の足音が聞こえた。


 え、もしかして誰か戻ってくる!?


 もう一度死角に入ればいいのに、いきなりのことでパニクった私はお弁当を握り締めながらその場で固まってしまった。


 その間にも足音は確実に体育館に向かってきていて、ついにその足音の正体は、体育館に入ってきてしまった。


「やべー、タオルどこやったっけ?」


「早くしろよ。俺まで遅れる」


 そう言いながら入ってきたのは、中原先輩と、佐伯先輩だった。