私が口を開きかけたとき。
「まあ、それはそれで置いといて。前も言ったろ? 恋愛にうつつ抜かしすぎるなって。来年は宮下も受験なんだし。今こんなにサボり癖つくと、あとで泣くことになるのはお前自身だからな」
……このあとも、長々とりんちゃんの話は続いた。
今までは授業サボることもなかったのに、とか。
いつからそんなに不良みたいになったんだ、とか。
成績ガタ落ちするぞ、とか。
ねちねち、くどくど言われ続けたんだけど。
それに返事のひとつもできないまま、ずっとうつむいて聞いていた。
だって、さっきの佐伯先輩を見て、何も言えなくなるくらいに心に傷を負ったから。
あいづちも打たない私にひとつため息をこぼして、りんちゃんは安心するような優しい声で私に問いかけた。
「……で? 佐伯と何かあったのか?」
話したくなきゃいいけど、と付け加えるりんちゃんの声に、私はずっと下に向けていた顔を上げた。



