体育館12:25~私のみる景色~


 私が口を開きかけたとき。


「まあ、それはそれで置いといて。前も言ったろ? 恋愛にうつつ抜かしすぎるなって。来年は宮下も受験なんだし。今こんなにサボり癖つくと、あとで泣くことになるのはお前自身だからな」


 ……このあとも、長々とりんちゃんの話は続いた。


 今までは授業サボることもなかったのに、とか。


 いつからそんなに不良みたいになったんだ、とか。


 成績ガタ落ちするぞ、とか。


 ねちねち、くどくど言われ続けたんだけど。


 それに返事のひとつもできないまま、ずっとうつむいて聞いていた。


 だって、さっきの佐伯先輩を見て、何も言えなくなるくらいに心に傷を負ったから。


 あいづちも打たない私にひとつため息をこぼして、りんちゃんは安心するような優しい声で私に問いかけた。


「……で? 佐伯と何かあったのか?」


 話したくなきゃいいけど、と付け加えるりんちゃんの声に、私はずっと下に向けていた顔を上げた。