いくらなんでも、こんなにも早く会っちゃうなんて思ってなかった。
それに突然すぎて、なんて言ったらいいのかすら、頭に浮かんでこない。
本当は、メールをしてどこかに呼び出して話そうかななんて思っていたのに。
でも、佐伯先輩はまだ私には気がついていないみたい。
「佐伯、何してんだ? 部活ない日くらい早く帰って勉強しとけよ~」
だけど、そんな私の心情を知らないりんちゃんは、佐伯先輩に声をかけてしまった。
あああ、今だけは佐伯先輩に話しかけないでほしかった……。
すごく気まずい。
佐伯先輩はりんちゃんの声に気がついて。
「あ、林先生。偏差値見てただけですぐ帰り……」
そのまま、りんちゃんと私の方を振り向いた。
佐伯先輩は、りんちゃんの少し後ろにいる私を見て、一瞬目を大きく見開いたけど、途端にその目を冷たく光らせた。