「慶ちゃん先輩! 私、慶ちゃん先輩には負けないから! 卑怯なことしたら許さないからね!?」
口をあんぐりとあけて呆然としている慶ちゃん先輩に、指をビシッとつきつけて宣戦布告をした。
ただでさえ、佐伯先輩と慶ちゃん先輩の仲はいいんだし、それに私はたぶん佐伯先輩に嫌われちゃってる。
まず、佐伯先輩に近づく方法もないもないし、これみよがしにアピールするものならほかの女の子たちが黙ってないだろうし。
それってすごいハンデなんだから、姑息な手使われちゃ困るもんねっ。
「は!? 亜希、なんか勘違いして……っ」
「うるさい! 正々堂々と勝負するんだからね!?」
最初の頃、あんなに消極的だったのがウソみたい。
今は、どうやって佐伯先輩に近づこうか考えちゃってるんだから。
傷ついたけど、今日のこの出来事は私にとっていい起爆剤になったみたい。
それよりも慶ちゃん先輩、そんなに私と佐伯先輩争奪戦するのがこわいのかな?
いつもの血色のいい肌が青白くなってるんだけど。