「泣き止んだか?」
涙がひいてきた頃、慶ちゃん先輩が私の頭をなでながら優しく尋ねてきた。
「ん、大丈夫。ごめんね? 慶ちゃん先輩まで遅刻だね」
口元に笑みを浮かべたつもりだけど、うまく笑えてたのかはわからないや。
「あー、笑おうとしなくていいから。とりあえず、聞きたいんだけど。お前は恭也が好きなんだよな……?」
こくん、と無言でうなづいた。
「あは、バレちゃったなあ。なんか、カッコ悪いね? 佐伯先輩に嫌われる瞬間見られるとか」
乾いた笑いがもれるけど、私の言葉を聞いた慶ちゃん先輩の方がきっと、私より傷ついた顔をしてる。
「慶ちゃん先輩まで、そんなに傷つかなくても……」
「違うんだ。俺、マジで最悪……」
私の言葉をさえぎって、慶ちゃん先輩は力なくうなだれた。



