体育館12:25~私のみる景色~


 涼が走り去ったと同時に、予鈴が鳴り響いた。


「あ、じゃあ私、予鈴鳴ったし行くね! 佐伯先輩も、また明日バスケ見に来ますんで!」


 それじゃあ、と立ち去ろうとしたら、手をぎゅっとつかまれた。


「えっ!?」


「さっきの俺の質問には、答えてくれないわけ?」


 不機嫌そうに眉を寄せる佐伯先輩に、そう引き止められた。


 なんだこれ、なんだこれ!


 佐伯先輩が私の手を握ってるんだけどー!?


 というか、理由なんか言えるわけないって。


 言ったら本当に、佐伯先輩のことが好きだってバレちゃうから!


 それにしても今日の佐伯先輩はいつもと違って、なんだか感情がむき出しになってるような感じがする。


 どうしたんだろう……?