体育館12:25~私のみる景色~


 座り込んでいた私と涼は、安心して同時に立ち上がった。


 涼は先輩たちの登場に少し興奮しているみたい。


 というか、なんで先輩たちがここにいるんだろう。


「なんか声すると思ったら、やっぱりお前か」


 ああ、私と涼の話し声、確かに大きかったかも。


 先輩たちが近づいてくるのもわからなかったくらい、おしゃべりに夢中になってたし。


 佐伯先輩を見るためにここにいたのに、全然見てなかったなあ。


「宮下さん、こんなとこで何してんの。みんなもう、教室戻ったけど」


 佐伯先輩にそう聞かれて、答えに困る。


 だって、佐伯先輩を見るためにここにいました、なんて言えないもん……!


 いい言い訳が思いつかないのは涼も同じらしく、だんまりを決め込んだ。