体育館12:25~私のみる景色~


 え、もうやめにしようと決意した途端、バレちゃった?


 絶体絶命の大ピンチ?


 一応ここは卓球台と柱の影で、コートから見上げても見えないし、ギャラリーにいても覗き込まなきゃ見えない場所なんだけど。


 涼はなぜだか目をまん丸に見開いて影の方向を見てる。


 ……こんな反応してるってことは、見つかったらかなりヤバイ相手ってこと?


 私は涼と向き合ってるから、背後の気配を感じるだけで、それが誰かはわからない。


 ぎぎぎと音がしそうな首を必死に動かして、勇気をふりしぼって後ろの影の正体を見ると。


「……亜希、こんなとこで何してんだ」


 そこにいたのは、さっきまでコートの中を走り回っていた慶ちゃん先輩と、佐伯先輩だった。


「あ、慶ちゃん先輩たち……。あ、焦ったぁ~……」


 もう本当に冷や汗だらだらだった。


 でも、女の子たちじゃなくてよかったよお。