不思議に思って涼に聞いたら、盛大なため息をいただいた。
「あのねえ、これも抜け駆けしてるようなもんなんじゃないの?」
眉間にしわを寄せて口をへの字にしている涼は、お世辞にも可愛いとは言えない。
せっかく美人なのにねえ……。
能天気にそんなことを思いながらぽけーっとしてたら、バシっと頭をたたかれた。
「いったい! なにすんの~」
結構思いっきりたたいたよ、今。
「今まで女子にコレがバレなかったの、ほぼ奇跡だからね!? バレてどうなっても知らないよっ!」
……たしかに、こんなふうにひとりだけギャラリーに残ってるの知られたら、ただじゃ済まないかも。
もしこれを知られたら、私みたいにする人も増えて、今度こそバスケの観戦禁止になっちゃうかも。
授業に遅れなければいいだけの話なんだけどね。
それにしても、もしもほんとにそういう女の子が増えちゃって、ことの発端が私だなんて知られたら痛い目にあうのは目に見えてる。



