体育館12:25~私のみる景色~


 反応が遅れた佐伯先輩は、追いつこうと一生懸命に走っていたけど、途中でスパッと気持ちのいい音が響いて。


 佐伯先輩が慶ちゃん先輩のところにたどり着く頃には、ボールがリングを抜けて地面に落ちるところだった。


「あ~あ、佐伯先輩決められちゃったねぇ」


「ん、そうだね……」


 佐伯先輩、すごく動揺していたみたいだったけど。


 慶ちゃん先輩はいったい何を言ったんだろ?


 そのあとも試合は続いて、結局僅差で佐伯先輩のチームは負けてしまった。


 試合が終わって先輩たちが片付けをし始めると、女の子たちはすぐに出て行き始めた。


「じゃ、あたしたちも行こっか」


「だ~め、ちょっとこっち来て!」


 女の子の波に紛れて教室に戻ろうとする涼の腕を引っ張って、私はいつもの場所に足早に向かった。