反応が遅れた佐伯先輩は、追いつこうと一生懸命に走っていたけど、途中でスパッと気持ちのいい音が響いて。
佐伯先輩が慶ちゃん先輩のところにたどり着く頃には、ボールがリングを抜けて地面に落ちるところだった。
「あ~あ、佐伯先輩決められちゃったねぇ」
「ん、そうだね……」
佐伯先輩、すごく動揺していたみたいだったけど。
慶ちゃん先輩はいったい何を言ったんだろ?
そのあとも試合は続いて、結局僅差で佐伯先輩のチームは負けてしまった。
試合が終わって先輩たちが片付けをし始めると、女の子たちはすぐに出て行き始めた。
「じゃ、あたしたちも行こっか」
「だ~め、ちょっとこっち来て!」
女の子の波に紛れて教室に戻ろうとする涼の腕を引っ張って、私はいつもの場所に足早に向かった。



