その刹那、ギャラリーからはワッと歓声が上がった。
先に動き出した佐伯先輩が優勢かと思いきや、慶ちゃん先輩も必死で食らいついていってる。
佐伯先輩はなかなか前に進めないし、パスを出すにもスキがないみたいで、悔しそうに歯を食いしばってる。
そんな姿を見て、ギャラリーはよりいっそう盛り上がりを見せた。
「今日の試合、ヤバくない? 来月の試合に向けて、スタメン確実なヤツと中原率いる強豪メンバーが争ってんでしょ?」
「そうらしいね~、これから県予選始まるまで、毎日こんなゲームすんのかな?」
ふと、隣りの3年生の会話が耳に届いた。
だから今日は、こんなにも試合が白熱してるんだ……!
たしかに、予選まではもう1か月もない。
勝ち上がれば本大会に出られるけど、そこで負けてしまえば、先輩たちは引退だ。



