「あ、そうなんだ? バスケ部だと思ってた。中原先輩、佐伯先輩の次くらいに上手いんじゃない? ……っていうか互角くらい?」
そうなんだよね、たしかに慶ちゃん先輩もすごくバスケが上手。
それに今日は本気の目をして、ボールを追いかけている。
チームは、佐伯先輩と敵同士になったみたい。
ギャラリーから見る先輩たちの姿はちっぽけなんだけど、私にはすごく力強く、大きく見える。
でも、やっぱり私の目には佐伯先輩しか映らない。
プレーの上手さはズバ抜けて輝いて見えるし、今日はほぼ全力でやっているのか、額に光る汗がなんだかすごくキレイ。
「うああ~、やっぱり佐伯先輩すごいなあ……」
今まで見てきた中で、1番気迫が感じられて、心臓がドキドキと高鳴る。
相手のガードをスルスルとかわして、ゴールへと一直線に向かう姿は、勇ましくて惚れ惚れする。
もう少しでシュートを打つかな、って思ったとき。
佐伯先輩の前に慶ちゃん先輩が、立ちはだかった。
そして、コートの中で、佐伯先輩と慶ちゃん先輩による静かな攻防戦が繰り広げられた。



