体育館12:25~私のみる景色~


「あ、そうなんだ? バスケ部だと思ってた。中原先輩、佐伯先輩の次くらいに上手いんじゃない? ……っていうか互角くらい?」


 そうなんだよね、たしかに慶ちゃん先輩もすごくバスケが上手。


 それに今日は本気の目をして、ボールを追いかけている。


 チームは、佐伯先輩と敵同士になったみたい。


 ギャラリーから見る先輩たちの姿はちっぽけなんだけど、私にはすごく力強く、大きく見える。


 でも、やっぱり私の目には佐伯先輩しか映らない。


 プレーの上手さはズバ抜けて輝いて見えるし、今日はほぼ全力でやっているのか、額に光る汗がなんだかすごくキレイ。


「うああ~、やっぱり佐伯先輩すごいなあ……」


 今まで見てきた中で、1番気迫が感じられて、心臓がドキドキと高鳴る。


 相手のガードをスルスルとかわして、ゴールへと一直線に向かう姿は、勇ましくて惚れ惚れする。


 もう少しでシュートを打つかな、って思ったとき。


 佐伯先輩の前に慶ちゃん先輩が、立ちはだかった。


 そして、コートの中で、佐伯先輩と慶ちゃん先輩による静かな攻防戦が繰り広げられた。