「何言ってんの! あのね、今はぜんっぜん人いないけどちょっと経てばここ、女の子で溢れ返っちゃうんだからね!? 佐伯先輩をベストポジションで見るためには、こんくらい早く来ないとダメなのっ!」
「へ、へえ~……」
すごい勢いで熱弁した私に、涼はひきつった笑みを浮かべてる。
涼は初めて見るからわからないだろうけど、ちょっと動いただけで隣りの人にぶつかっちゃうくらい、いっぱい女の子が見に来るんだからっ。
鼻息を荒くしているうちに、先輩たちはバスケを始めちゃってた。
今日はなんだか、みんなの目つきが違う。
佐伯先輩も本気でプレーしてるみたい。
「あ、今バスケやってるのって、全員バスケ部じゃない?」
涼がそう言うけど、私はわかんないや。
佐伯先輩にしか興味なかったから、ほかの人のことはまったく知らない。
「ん~、そうなんだ? あ、でも、中原先輩はバスケ上手だけど、部員じゃないよ?」
メールでは“慶ちゃん先輩”なんて呼んでるけど、それ以外では名字呼びするってことにしてる。
だって、万が一慶ちゃん先輩のファンに聞かれたりしたら、まずいし。



