体育館12:25~私のみる景色~


 うわあ、なんか泣きたくなってきたなあ。


 涙が出てきそうになったから、さりげなく下を向いて顔をかくした。


「あ~まあ、女子に冷たくしてんのはウソじゃないけど。宮下さんとは、なんか普通に話せてるわ。特に意識してなかったし、わかんないけど」


「え……?」


 佐伯先輩から、予想外な言葉が聞こえたんだけど。


 びっくりして思わず顔を上げると、佐伯先輩はバツが悪そうな顔をして、後ろ頭をかきながら目線を下に向けていた。


 その瞬間に、こらえてた涙が一粒だけポロっと流れ落ちて、シーツに模様をつけた。


「あ、佐伯が宮下泣かせたー。サイテー、女泣かせー」


 りんちゃんがすごい棒読みで、佐伯先輩にそんなこと言ってる。


「は? 俺、なんか言った? ちょっ、宮下さんどした?」