先生に渡された紙は、保健室の利用者カード。
名前、学年、クラス、そのほかに症状、体温とかを記入するんだけど、それを見てびっくりした。
「えっ、なんで……」
そこには、見慣れないキレイな文字で、名前と学年、クラスがすでに書かれていた。
『宮下 亜希』って、漢字で。
これは、三島先生の文字じゃない。
保健室便りっていうのを三島先生が作ってるんだけど、それは手書きで三島先生が毎月つくる。
そのとき見た字は少し丸くて可愛らしかった。
ここに書かれているのは、力強いけど繊細な感じがする字で、三島先生が書くのとはまるで違う。
「中原先輩かな? 佐伯先輩だったらいいなあー……」
その時、ちょうど体温計が鳴ったから、取り出した。
38.2度かあ。
やっぱり熱があったみたい。
隣りに並ぶ文字につり合うように、丁寧に数字を記入した。



