体育館12:25~私のみる景色~


 先生に渡された紙は、保健室の利用者カード。


 名前、学年、クラス、そのほかに症状、体温とかを記入するんだけど、それを見てびっくりした。


「えっ、なんで……」


 そこには、見慣れないキレイな文字で、名前と学年、クラスがすでに書かれていた。


 『宮下 亜希』って、漢字で。


 これは、三島先生の文字じゃない。


 保健室便りっていうのを三島先生が作ってるんだけど、それは手書きで三島先生が毎月つくる。


 そのとき見た字は少し丸くて可愛らしかった。


 ここに書かれているのは、力強いけど繊細な感じがする字で、三島先生が書くのとはまるで違う。


「中原先輩かな? 佐伯先輩だったらいいなあー……」


 その時、ちょうど体温計が鳴ったから、取り出した。


 38.2度かあ。


 やっぱり熱があったみたい。


 隣りに並ぶ文字につり合うように、丁寧に数字を記入した。