体育館12:25~私のみる景色~


「……聞いてなかった? オイ、慶。お前宮下さんに何もしてないよな?」


「してねーよ! ……たぶんな」


「絶対なんかしたろ。ていうか宮下さん、もしかしてトリップ中?」


 ぼーっとそんなことを考えていたら、ほっぺに何か冷たいものが触れた。


「ひゃっ……!」


 いけない、いけない。


 また自分の世界に旅立ってたよ。


 それにしても、なんでだろう。


 吐息がかかりそうなくらいの場所に、佐伯先輩の顔がある。


 それに、頬に感じるゴツゴツとした男らしい肌の感触は、もしかして。


「……ッ!!」


 私に触れている手が佐伯先輩のものだと理解したとたん、身体中の血液が沸騰したような感覚におそわれた。