「あの…」


どぎまぎと目が泳ぐ男子。


たぶん後先考えずに行動したのだろう。


「取り合えず、腕離してくれる?」


「あぁっ、ごめんっ!!」


慌てて腕を離し、顔を赤くしながら頭をガシガシと掻く男子。


「あのさ…俺、有坂のこと好きなんだよ」


え…告白…?


この子、勇気あるってか命知らずってか…。


「松村天翔より、幸せにするからさ…。付き合って?」


その言葉に唖然とするあたし。


それはあたしだけじゃなかったみたい。


回りの生徒たちも、ざわざわと動揺している。


だって、天翔にこんなこと言えるなんて…。