慣れって怖いな…。


「もう…雨降る前に帰ろ?」


「雷が鳴る前に、だろ?」


「うっさいっ」


「はいはい」


天翔は意地悪な笑いを浮かべると、あたしの手を引いて歩き出した。





「今日、どうする?」


「ん〜、自分家に帰ろうかな…」


あたしが言うと、天翔は何も言わずにあたしをヒョイッとバイクに乗せる。


ようやくこれにも慣れてきた。


でもやっぱ照れる…。


「慣れろよ」


天翔はまた意地悪な笑いを浮かべると、バイクのエンジンをかける。


天翔の体にギュッと腕を回し、大きな背中に頬をつける。