「ねぇ、天翔!!」 人気のない、天翔のバイクが停めてある場所に来ると、あたしは思い切って聞いてみた。 「ん?」 「さっきの子、誰?」 あたしが言うと、天翔はピタリと動きを止めた。 ゆっくりとあたしに視線を移す。 「誰って…。お前、クラス同じなのに名前知らねぇの?」 「興味ないもん…」 元から人と会話するタイプじゃないし…。 必要ない人の名前なんて覚えてない。 「楠木光」 天翔はそれだけ言うと、あたしをヒョイッとバイクに乗せた。 「行くぞ」 天翔がエンジンをかけようとする手を止める。