この子、何者…?


「バーカ。お前なんかに渡すか」


その時、野次馬の後ろから聞き覚えのある声。


赤に近い髪に、無数のピアス…。


背が高いからめちゃくちゃ目立つ…。


天翔は野次馬の間をづかづかかき分けて、あたしを引き寄せた。


「あーあ、来ちゃった…。チャンスだと思ったのに…」


告白してきた男子はニヤリと笑いながら、大袈裟に肩をすくめた。


「殴られてぇの?」


「おぉー、怖っ。不良は短気だね〜」


「くだらねぇ」


今度は天翔が呆れたように肩をすくめる。


何…? 知り合い…?