赤色【完】

「出て行け」
ある日、お母さんはいいました。
「え?」
「出ていけって言ってんだよ!」
少女はお母さんの手に引っ張られました。
「でもぬいぐるみが……」
すると黙ってぬいぐるみを押し付けられます。
「あんたがいるせいであたしは男にモテないんだよあんたがいるから!さっさと視界から消えろよ」
車に乗せられ、見知らぬ人気(ひとけ)のない場所で少女は降ろされました。
戸惑う少女にお母さんは振り向かず、運転席の方へ歩いて行きます。
それはとても無防備な背中でした。