今日は出番がない…。
暇だからエンジェル 見に来たよー!
平日だから人が少なめだ。
…あの人だかりを除いては。
絶対あそこでしょ⁉︎人多すぎだわ…。
最近やたらと増えたしね。
私はその人だかりの1番後ろに立った。
お、今からゲストと踊るんだ。
これは私が提案したんだよ。
ゲストと一緒に楽しむためにね♪
今日はともくん、ゆう、こうくんの3人らしい。
ゆ:「今から一緒に踊りまーす!」
と:「踊りたい人ー?」
『はーーーい!』
全員が手を上げるんかい!
あ、こうくんがこっち見た。
こ:「スペシャルゲスト発見!」
え…グイッ…えぇー⁉︎
『きゃー!!れいちゃん⁉︎』
ですよねー…。
こうなるの分かってるはずなのに!
こ:「では、踊ってもらいます!」
「え、アドリブ⁉︎」
こ:「うん!ミュージックスタート!」
ガチだ、ガチの方だ!
あんちゃんも曲かけるんかい!
もー!どうなっても知らない!
私、凄い頑張ってるよ?
アドリブで踊るとは…てか、踊る気無かったし!
でも、ダンスは楽しい!

これから踊れなくなるなんて知らずに。


ー終了後ー
「本当にありえない!」
こ:「ごめんね?れいちゃんならできるとおもったから」
「思ったからじゃないよ!」
と:「でも、踊れてたしな」
ゆ:「うんうん!過ぎたことは忘れる」
軽いな…。
あ:「お疲れ!れいちゃんも」
し:「れい…かっこいい///」
あんちゃんとしぃが戻ってきた。
「あんちゃん、何で曲流すの?」
あ:「れいちゃんなら行けると思ったからさ」
し:「かっこいい!」
「思ったからさ、じゃないのー!…はぁ
まぁ、いいや」
私が未だにできないのはこのテンションについて行く事だろう。
ま、これが好きなんだけどね!
プルルル プルルル
さ:「電話だ。もしもし?」
誰からだろう?
し:「れい!ダンス教えて」
「いいけど、軽くだよ?」
し:「うん!やったー!」
飛び跳ねす…あ、転けた。
さ:「れい…」
「ん、何?」
さ:「今、れいの母さんから電話で…お父さんの病代が、悪化したって」
「え…」
お…父さん…お父さん!
バタンッ!
私は勢い良く部屋を飛び出し、自分の部屋へ行った。
お父さん、お父さん、お父さん。
わたしは急いで連絡した。
『はい…』
「お母さん!お父さんは⁉︎」
『危険な状態だって…』
「そんな…今から行く!」
『だめよ!あなたはそこで頑張るの!』
「いやよ!」
『そんなに来たいなら、ダンスやめなさい!』
ダンスを…やめる?
『明日、貴方が病気へ来たらもう戻らないって覚悟して!』
ガチャッ
ダンスとお父さん…選べないよ。
どちらも大切…お母さんが1番分かってるはずなのに。
お父さん…昔のことが頭をよぎる。
決めなきゃ。

次の日ー午前10時
皆はダンスをしている。
私は気づかれないように荷物をまとめに寮に戻った。
もう、こことはお別れ。
手紙書こう。
私はその手紙を書いている間、涙が止まらなかった。
お姉ちゃんみたいなあんちゃん。
いつも元気満点なゆう。
素っ気ないけど優しいともくん。
可愛い弟みたいなるぅちゃん。
お兄ちゃんみたいなこうくん。
いつも頑張り屋なしぃ。
そして、私が始めて愛したさく。
一年間って言う短い間楽しかったな。
みんなありがとう。
そして…さようなら。

私はもう一度笑顔を捨てた。