隆裕のお父さんとお母さん、


あの日以来だっけ。


「いいえ、秋穂さんは良い娘さんです。一本で、真っ直ぐで」


「私はずっと隆裕が、社長になりたいとばかり思ってました。…そうとしか考えられなかった。



でも少し前、隆裕から秋穂さんについて色々とうかがいまして。


本当にありがとう。秋穂ちゃん」




そんな…あたしはお礼されることなんて。



あたしだってあの時たくさんのことを教えて貰った。



「私たちからのほんの少しのお礼です」



う、うわ…ここめっちゃ高いとこのチョコだ。



「ありがとうございます」



「あ、そうそう。隆裕の従姉知ってますか?」



「くるみ先輩、ですか?」



「はい。彼女も中々家に来てくれなくて。良かったらお礼を伝えておいてください」