……
鳥の鳴く声がする。
朝か……。
掛けていたタオルケットを半分に畳んで、ベッドの下半分に置いた。
立花薫子。16歳。高1。
実家は剣道場。
意外とたくさんの門下生をかかえている。
「かこちゃーん?もう朝ご飯できてるから、降りて手伝ってー?」
「はーい、今いく!」
パジャマを脱いで、制服を着る。
…高校生になって良かった。
だって可愛い制服着れるし。
中学の時の制服なんて、ダサ過ぎてもう着てたことすら考えたくないや(笑)
階段を降りて、リビングに向かう。
「おはよ、かこ。」
「おはよママ。…大樹(ダイキ)は?」
「…彼女と一緒に登校するから、先に行った。朝ご飯に、菓子パン一つ持って行った」
……大樹、弟の癖にー…
あんの、マセガキ!
でも、いいな、カップル。
彼氏なんて、中学一年の時に1人だけ。
最悪だったなぁ…
「かこちゃん、早く食べないと遅刻するだよ?」
「えっ嘘!やば、7時半?!」
サッとご飯を箸でかっこみ、軽く歯を磨いて家を出ようとする。
「あ、かこちゃん?」
「なに?!もう行くんだけど!!」
「…お弁当いらないの?」
「〜〜〜〜〜!!!」
ママからお弁当をひったくり、駅まで自転車を飛ばした。