やっとHRが終わり、帰り道。
創は今日の昼にあたしの心が読めなくなったのを相当気にしていた。
ブツブツブツブツ、ブツブツブツブツ。
こいつ、こんな一面があったのか、となんだか笑ってしまった。
ただの人間一人の心が読めなくなったくらいで、こんなにアタフタするなんてね(笑)
「心読めねぇけどさ、多分薫子俺のことバカにしてるでしょ」
ぎくっとしたあたしは苦笑い。
だけど、すぐにあたしは恐怖に襲われた。
あの、視線が…。
創も何かに気づいたようで、手を胸の前で合わせた。
これは、青龍が神剣、蒼龍をカラダから出す時のポーズなんだって。
「薫子、動かないで」
電信柱に近づく創は、青いオーラをまとったように見えた。
電信柱から創が出したものは…
「黄色の、毛?」
少し輝いて見えるその毛は、なんだか神々しかった。
「分身の術、ね…」
すっと創が手を離した途端、青い綺麗な石がはめ込まれた大きな剣が現れた。
地面に落としたその毛を、青い剣をストっと落として真っ二つに切った。