青龍と花嫁の唄



「俺に、人間界のこととか、剣道とかさ、教えてよ」

「え、そんなことでいいの?」

そんなこと、言ってくれればタダで教えるのに…

「俺、あんまり勉強せずにコッチ(人間界)に来たから、よくわかんないんだよねー。しかも、青龍の武器のカタチは剣でしょ?」

「それと剣道の何が関係あるの?」

「んーとね、いわゆる魔物ってさ…その土地伝承の魔物の姿をとることが多いんだよ」

「…一反木綿とか小泣ジジイとか一つ目小僧とか?」

「イッタン…?コナ…?まぁそういうこと、かな?(笑)」

げー…


まだあたしが小学生くらいのとき、寝るのをぐずっていた。
そんなあたしにパパが見せた本は恐ろしかった。

『日本妖怪大図鑑』

こいつのせいであたしは、妖怪とか幽霊とか、そういう類が一切ダメになった。
本当に怖い。

「へー、そういうの、苦手なんだ?」

「え?」

あたしの手には創の手が乗っている。

「…心、読んだね?」

「だって、なんか顔が面白かったから」

ケラケラ笑う創。

「…っ」

この………

「バカ創ーーーーーー!!!!」




弱みを知られたあたしは、きっとこれから散々からかわれるハメになるだろうなぁ。