青龍と花嫁の唄



「薫子、夕飯の前に、宿題教えてくれる?俺、古典苦手なんだ」

「あらー、かこちゃん教えてあげなさいよ!ね!あとでオヤツ持っていくから」

「有難う御座います、桜子さん」

桜子はわたしのママの名前。


「…ね?」


転校生、いや、松倉創が困ったように笑う。

く、ろい…?

笑顔が、なんか…黒い。



あたしは、ママにあたしの感じた異変を話せずにそのままあたしの部屋へ向かった。






トン、トン、とゆっくり階段を登る。


そこで、松倉創がボソッと呟いた。



「いるんだよね、かかりにくい奴…」





かかりにくい?

どういうこと?




転校の謎も、下宿の謎も、



まだ私にはわからなかった。