家に帰るときも、転校生はついてこなかった。
ていうか、帰るときには既にいなかった。
やっぱり夢??
「ただいま〜…」
「「あ、お帰りなさーい」」
「ただいまー」
…ん?
声、一つ多い。
リビングを覗く。
1人…多い。
サラッサラな黒髪。
座っている姿からして、身長がかなり高い。
「…おかえり、薫子?」
でた、
松倉 創。
「かこちゃん、帰ってくるの遅いわよー。今日は創くんとかこちゃんが料理当番なんだから、はやく帰ってくる約束でしょー?もーう」
料理当番?
確かに、我が家には夕飯の当番がある。
パパは剣道連盟の仕事があって、あまり帰ってこない。
ママはパートがあるから、月曜火曜木曜はあたしが夕飯を作る。
今日は月曜日。
でも待って。
「ママ、なんでそいつと仲良いの…?」
だって、今日転校してきたんだよ?
しかも、同居も下宿もしてない。
「え?何言ってるのかこちゃん?
創くん、一週間前からここで下宿始めたじゃない」
は?
一週間?
学校のみんなも、ママも、みんな変。
おかしくないの?