「…さん、沢井さん」 「はっはい!」 「やっぱり、ダメだった?」 少し困った顔で、こちらを見る杉宮くん。 「えっいや、大丈夫。全然問題ないです」 「よかった。じゃあ、よろしくお願いします」 そう言って、杉宮くんは椅子に座ったまま頭を下げる。 「あ、こちらこそ」 それにつられて、私も頭を下げた。 その後、全然作業が進んでいなかったことを思い出し、お互いせっせと急いで取り組んだ。