謝るって決めただろ。 けど、 唇が、上手く動かない。 動け、動けよ…っ 「……勝ち逃げしたつもりだろうけど、 俺、まだ諦めてねーから」 「っ…!」 「奪ってやるから。 お前じゃ、穂香ちゃんを幸せには出来ないだろうからな」 やっぱり…… 俺への当て付けなんかじゃない。 祐介は…まだ穂香のことを…。 そして祐介はスッと俺から離れると、 「じゃあ、俺帰るね」 穂香にやわらかく微笑んで、駅のある方へ歩いて行った。