《奏多SIDE》 学校が終わって家に帰ってみれば… なぜか家の前に、穂香と背の高い男がいた。 「なに、してんの?」 まさか。 俺があんなことをしたせいで、 穂香は怒って、他の男にいったっていうのか? 「おい、穂香」 俺も少し不機嫌気味になっていると、 穂香を見つめたままだった男が、パッとこっちを向いた。 「……お前…」 「久しぶりだね、奏多」 発せられた声は、あまりにも低くて。 向けられた視線は、あまりにも冷たくて。 ゾクッと、身体中に何かが駆け巡った。 「祐、介……」