そして、私の家の近くまで来た頃。
「あ……そこ、まがる…」
「ん」
一言発するのすら緊張するほど、微妙な空気が流れていた。
なんか、今朝と同じじゃない?
別れ際になってこう…気まずくなるというか…。
しかも加藤くんがなに考えてるかわかんないし…
「あ、そこ、に見えるのが、
私の家…」
「へぇ…あそこか…」
ボソッと呟くようにそう言った加藤くん。
そして、もうすぐそこに自分の家!ってところまで来ると、
また加藤くんが立ち止まった。
その後、繋がれたままだった手を離すことなく、
逆にぎゅっと強く握られた。