「おせーよ」



「ごめんごめん!」




トイレから出たら、外で待ってた奏多がムスッとしながらそう言ってきた。



そんなに長くないと思うんだけどな…。




「はい、早く、手」



「へ?」



「繋ぎてーの、早く。
ほら」




そう言って差し出された奏多の手にも、私と同じリングが。




「……ふふ、はーい」



「なに笑ってんだよ」



「なんでもなーいっ」




きっと、私たちは大丈夫だよね。




「変な穂香」



「そんな変な私のことは嫌い?」



「……嫌いなわけないだろ


……めっちゃ好き」




ずっと、あなたの隣で笑っていられる。



そんな未来は、



そう遠くない、と思う。






*END*