「……ど、」
「ん?」
「……ど、うぞ…」
それでもちゃんと伝えたのに、
奏多は
「大胆だなー」
とか言って、腕組みをした。
「そっかそっか。
こんないっぱい人がいるとこで、
抱きしめてほしいんだな?」
そしてニヤリと、勝ち誇ったように笑った。
……っ、恥ずかし…っ!
「い、今のはナシ…っ!」
「ナシじゃありませーん」
奏多は組んでいた腕をほどくと、
ぎゅうっと私を抱きしめた。
「…やべぇ…久しぶりの穂香だ…。」
「……うん」
「あー…
映画より、ずっとこうしてたいなー」
「それじゃデートじゃなくて
いつもと一緒じゃん!」
「そうだなー
いつもと一緒でも、俺は満足。」
「それじゃ意味ない!
今日は、デートなの…」
「ん、そうだな。
じゃ行くか」



