「はい、どうぞ」
「え……あ、ありがとう」
───ピーッ
それを受け取った男の子も改札を通ってきて。
「ありがとう、助かりました。」
ペコッと軽く会釈をされた。
「いえ……もとはと言えばぶつかった私が悪いんですから…」
「いや、あれは俺のせいだし…」
「いえ、あれは私が…」
なんて、言い合っていたら。
────♪~♪♪
突然私の携帯が鳴った。
「あ、す、すみません…っ」
マナーモードにするの忘れてたぁ…!!
どうしよう、不快にさせたかもしれない…。
でも一応確認してみると、
……奏多からの着信だった。
「…今さらなんなのよ、奏多のやつ…」
「え………、奏…多?」



